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木造建築の危機「4号特例廃止」(大工さんは何故黙っているの?・建築基準法改正・木造在来工法・伝統工法) [平成19年建築基準法改正]

 書く書くと記事の予告はしつつも、この話題は気が重く、なかなか書き出すことが出来ませんでした。

 私の直接の仕事は瓦という一建材メーカーに過ぎず、認識の間違っている点もあろうかとは思いますが、勇気をふるって記事にします。

 

 今年6月20日の建築基準法の改正で、国土交通省の失態により確認申請が滞り、新規の着工が著しく減っていることは、新聞等でも読まれていると思います。

 今の段階は、4号建物(木造2階建て以下、500㎡未満:構造計算が免除)については、比較的順調に確認申請が降りるようになり、それ以外の構造計算が必要な建物は相変わらず大混乱の真っ最中だと聞いています。

マンションなどの高層建物は相変わらず建たず、都市部ではマンション価格の高騰などもを招いているようです)

 ただし、4号建築についても中間検査の実施がどのくらい厳密に行われるか?の様子見をしていらっしゃる方もそこそこいるとの話を聞いており、申請数自体がまだまだ元の水準にまで行っていないようです。


 今回の記事で書こうと思っているのは、その「4号建築」についてです。

  4号というのは、今回の建築基準法改正の手続き上で確認申請に必要な書類の形式が変わり必要書類の量は増えるものの、基本的な審査内容は変わらず構造計算の必要がないと例外規定で決められている分類のことで、「4号特例」と呼ばれることもあります。

(余談:それなのに何故、確認申請がこれほど滞ったのか?不思議に思いませんか?)

 本格的な構造計算をしていないとは言っても、幾度もの地震などの自然災害を経て信頼性について実証されてきた「壁量計算」という簡易的な構造計算法によって設計されており、信頼性に於いて心配いただく必要はありません

「壁量計算」の妥当性については、私自身幾度にもわたる災害被災地の視察によって大丈夫だとの確信を持っています)

  「平成19年新潟県中越沖地震」瓦屋根に関する報告書(平成19年7月16日 新潟県中越沖地震:柏崎市・刈羽村)
  
http://blog.so-net.ne.jp/kawaraya-taisei/2007-08-23
  (他にも幾つかの被災地視察記録が記事にしてありますので。興味のある方はリンクをたどっていってください)

 

 その4号特例が、今のところの予定では来年末で廃止になり、再来年の平成21年には木造の小規模な低層住宅も構造計算の対象に成ってしまうことが、既に今回の法改正の時点で既に決まっているそうです。

 そして驚くべき事に設計士の先生方のお話を聞いていると、実は木造建築の構造計算がちゃんと出来る設計士というのは100人に一人もいらっしゃらないそうで、構造計算が義務づけられれば、在来の木造建築がほとんど建てられなくなってしまう事態が発生してくるとの予測を耳にしています。

(私自身、木造伝統工法の構造計算と木造在来工法の構造計算を混同しているかもしれません。どなたかご教授下さい。)


 「これって、大変な事態ではないですか!?」

 おそらくは、今回の大混乱どころの騒ぎではなく、日本の建築全般に今回よりも遙かに大きなインパクトが発生することが歴然として居るではありませんか?

  人間と環境に優しく、安全家づくり-減少する持家着工、迫る4号特例廃止・瑕疵保証義務化..
  
http://blog.so-net.ne.jp/kazusin/2007-11-02

  建築構造設計-伝統構法が大変なことになっている
  
http://blog.so-net.ne.jp/kentikukouzou/2007-10-31

 

 そもそも今回の法改正は、姉歯問題のような強度偽装を制度的にどう防御するか?と言う観点で議論された改正で、国会での議論も中高層の建物の話が大半で、低層の木造住宅について議論された記憶が私には全くありません

 そして、実際に大きな影響を被るであろう大工や工務店の方と話をしていても、今回の混乱が話題に上がることはあっても、この事実が全知らされていません。(つまりは、まともな周知が行われていないと言うことです)

 「これはいったいどうなっているのでしょうか?」

(なにか、大きな意図があると思われて仕方ありません)


 恐らくはハウスメーカーなどでは、来年末までの間に構法の認定などを進め易々と対処するのでしょうが、地域に根ざした責任施工の大工や工務店は、全く新築の仕事が出来ない事態に立ち至ることが容易に想像できます。

(木造在来工法の設計が出来る人自体がいないのでは、設計を外注することすら出来ません)


 ここ一ヶ月ほどスーパーゼネコンの手抜き工事が新聞・TVを賑わせていますが、会社が大きければ安心できる建物が建つわけではないという事が実証されたわけであり、大手ハウスメーカーならば必ず安心できる家が建つわけではありません

 むしろ、安心して住むことが出来る高耐久住宅と言うことを考えた場合には、営業から施工まで全てに目が届く、中小規模の地域に根ざした工務店の方が遙かに信頼することが出来ると考えています。

 「そんな方達の仕事の場を奪う改正は、どこかおかしくないでしょうか?」

 

PS.
 もし、木造住宅の耐震性などに実効性のある手を入れるとするならば、今は形式上でしか行われていない中間検査の確実な履行により、手抜き建築の発見の方が遙かに効力を発揮します。

(被災地の現地調査で私が見る限り、構造的な問題よりも手抜き工事や白アリや結露による構造材の腐朽の方が、遙かに大きい倒壊要件だと感じています。)

 6月20日以降の確認申請の混乱とその後の対処を見ていると、マンパワーの問題で中間検査が形式上の検査のみで終わってしまいそうに感じています。

 真に建物の信頼性を高める改正であるのならば、建築業界として越えねばならぬ壁なのですが、今回の対処は私には「実効性」を確保できる法改正だと思うことが出来ません

 まだ事例があまり出ていませんが、基準法改正後の「中間検査」がどう対処されるか?、関心を持って見ていただけると良いと思います。


PS2.
 三介さんに教えていただきましたが、このままでは「工務店が消えて無くなる」との危機感から工務店経営者全国大会というのが11月16日に行われたようです。

   「このままでは工務店が消えてなくなる」、工務店全国組織が新団体 nikkei BPnet
   
http://www.nikkeibp.co.jp/news/const07q4/550792/

   JBN工務店経営者全国大会プログラム
   http://www.zenkenren.or.jp/support/img/JBN_Zenkokutaikai.pdf


 また、伝統工法を残そうと岩手県の気仙大工の方々もこんな声を上げていらっしゃるようです。

   改築日記~セルフリノベーション~気仙大工頑張れ!
   
http://blog.so-net.ne.jp/syakutorimusi/2007-10-26

   - 気仙大工 (ケセン語)ブログ -
   
http://www.doblog.com/weblog/myblog/33509


 この問題は大工工務店の方達が当事者として何か発信していかないと、妙な流れに押し流されてしまいます

 次の代に誇りを持って残せる仕事を守るべく、勇気を持って発信していただきたいと思います。

 

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「関連の過去記事」

建築基準法改正と瓦の出荷減。関係有りや?無しや?(戸建て住宅着工減:平成19年6月20日改正建築基準法)
http://blog.so-net.ne.jp/kawaraya-taisei/2007-08-28

福田首相所信表明演説。建築基準法改正問題·高耐久住宅に言及(建築確認の滞り・200年住宅)
http://blog.so-net.ne.jp/kawaraya-taisei/2007-10-03

首相交代と建築基準法改正後の混乱解消(公明党の素人大臣は勘弁して!)
http://blog.so-net.ne.jp/kawaraya-taisei/2007-09-18

自民党国土交通部会の国土交通大臣への申し入れ(建築基準法改正後の確認申請の大混乱)
http://blog.so-net.ne.jp/kawaraya-taisei/2007-10-10

建築関連中小企業に対するセーフティーネット(建築基準法改正・確認申請の滞り:金融支援)
http://blog.so-net.ne.jp/kawaraya-taisei/2007-10-11

ニチアス・東洋ゴムの耐火偽装、ゼネコンの手抜き工事の根本要因?(タイムリーな話題ではなく失礼)
http://blog.so-net.ne.jp/kawaraya-taisei/2007-11-14


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コメント 37

三介

今晩は、たいせいさん。
ホント、これは凄く重大な問題だったんですね。あらためて言われないと、
漠然とはわかっていても、今まで、よく気付けませんでした。
僕も木造、難しくって、計算とかしたことないので、法文読んでもピンときませんでした。
「建築構造設計会議室」に
「木造の構造設計士」というスレッドが立ってました。
http://arc-structure.sakura.ne.jp/bbs.htm
KYK 記事数 [31]最終更新日時 [2007/11/19 12:50:18]
これを読めば、如何に木造が難しく、人がいないか、お分かりいただけるかと思います。
確かに、拙速の法改正、止めないと,危険ですね。
by 三介 (2007-11-24 17:36) 

木造の構造計算の出来る人がいない。15年ほど前にとある工事を受注したときに愕然としたことがあります。
今も状況は変わらないんですね。お寺とか料亭とかどうするんだろう
by (2007-11-25 08:15) 

たいせいさん、
おはようございます。4号特例は廃止なのですね。
これは殆ど、大手メーカー優先の施策と考えて良いでしょう。政府がよりコントロールしやすい、大手業者中心に何もかも話を進めている傾向が、建築にもうかがい知ることが出来ませんか?

私は消費者金融関連の政府の施策で同様の傾向を感じておりましたが(金利引下げの名を借りた、業界の中小業者の排除には変わりないのです)、これはもっと酷い。
大手ハウスメーカーも施工は結局中小の工務店を頼らざるを得ないという現状を、お役人はどの程度分かっているのでしょうか。
by (2007-11-25 08:42) 

まるや

こんにちは
記事じっくりと読ませていただきました。自分の会社でも木造3階建ての構造計算が2ヶ月予約待ちです。報道機関もミシュランで3ヶ月予約待ちなんてやってないで、建築確認問題とりあげてほしい。4号特例廃止でさらに追い討ち。
国土交通省のなんにも考えてない政策で、大不況の引き金にならなければいいのですが・・・
by まるや (2007-11-25 15:02) 

toyo

私もまったく知りませんでした。
大体、国土交通省って国土無能省っていう印象をもっていました。
どーでもいいようなことにしゃしゃり出て、かんじんなことはほったらかし!っていう気がします。でもそうとばかりは言ってられませんね。
勉強になりました。大工さんにも知らせます。
by toyo (2007-11-26 00:47) 

しゃくとりむし

トラックバック有難うございます。

理屈だけでがんじがらめになって、知恵や経験、実情がなおざりにされてしまう・・・
そんな世の中になりつつあることが残念でなりません。
by しゃくとりむし (2007-11-26 02:22) 

たいせい

 三介さん、虚空蔵の構造計算の場合は受付をしている審査機関も希で、審査にかかるお金も百万単位になってしまうようです。
 そんなかんなで、6月20の建築基準法改正よりも、来年末に実施予定の4号特例の廃止の方が、遙かにインパクトが強い者になりそうで、心配です。(直撃を受けるのが、瓦を建物に乗せることに愛着を持ってくださる方達でもあります)
 本文に書いたように、木造に関して耐震に関する実効性を上げるには、構造計算の実施よりも「中間検査」の確実な実施の方にポイントを置くべきで、また大混乱の末に確認申請は骨抜きになり、中間検査もマンパワーの問題でこれまで通りとなったら、何のための法改正なのか?よく解らない事態に成りかねないとも思っています。

 幾度も繰り返される大地震被災地での在来木造建物の倒壊映像を見せられ(とは言っても地震被災の原因の大半は、手抜き建築・白アリなどによる構造材の腐朽で、最近の設計の者であれば設計上の問題での被災例は皆無ですが)、何らかの措置が必要だと考えている建築関係者は多く、「意味のある改正」ならば受け入れる機運自体はあると思いますが、実効性がなく、混乱を引き起こすだけの改正は勘弁して欲しいです。

 なによりも、国会でまともに議論されていないのに何故これほどインパクトの大きい変革がまかり通ってしまうのか?、どうしても納得いきません。

 コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2007-11-26 08:53) 

たいせい

 STEALTH さん、木造在来工法の場合は、本格的な「構造計算」の代わりに複雑な体力要素を簡便に計算できる「壁量計算」という簡易的な設計法が発達しました。
 当初は、地震で被災を受ける家などもあったようですが、地震の度に設計法の見直しが行われ、昭和56年以降の「新耐震」と言われる基準の家であれば(形成12年に耐力壁の配置についての改正があり更に強固になりました)、その後の大地震でもほとんど被災が無いほど熟成の進んだ設計法です。
(っとも構造計算も同様の進歩を遂げており、構造計算された建物でも設計年度の古い物は被災しています)
 何故、問題の無いものを廃止して、わざわざ手のかかる方法に変えなければならないのか?私には全く理解できません。

 国土交通省を初めとするお役人は、どんな混乱が予測されようとも「変革することが正義!?」だと思っているフシがあり、業界内の秩序を壊し続けています。
 それで、一般のお施主の手に渡る建物の信頼性が高まればまだ良いのですが、必ずしもそうではないケースの方が特に最近多くなったと感じています。
 地場でこだわり住宅の担い手になって建物を守っている責任施工を標榜する中小工務店をつぶして、指導の行いやすい「大手ハウスメーカー」(政治家にとっては献金の期待できると言うこともあるかも?)の一極構造が作りたいのでしょうか?
(欠陥建築による訴訟事件の多くは、大手ハウスメーカーが抱えていると言うことは、当然知っているはずなのですが...。)

 nice! &コメント、ありがとうございました!

PS.
 社寺仏閣や、木造の古い料亭・温泉旅館・古民家などは木造在来工法と言うよりも、少し考え方の違う「木造伝統工法」と言われる構法で出来ています。
(在来工法は筋交いを入れた壁で強くするのに対し、伝統工法は木材自体のしなりと、木だけで出来た継ぎ手による柔構造というイメージ)
 本文最末尾で紹介させていただいた「気仙大工」の方達は、伝統工法を後世に残すべく大変な努力を続けていらっしゃいます。
 伝統工法も大変な事態に立ち至っているようです。
by たいせい (2007-11-26 09:21) 

たいせい

 まーきんさん、あらゆる業界でお役人は口出しをし過ぎているように感じています。
 規制を厳しくしたり、制度を精密に構築すればするほど、その制度の運営にマンパワーが必要になります。
 お役所のリストラに抵抗したり、その制度を管理運営知る外郭団体を増やして天下り先の確保には役に立つのでしょうが、一般国民のためにはなっていないように思います。
 「小さな政府」と言う考え方に逆行し、「民間に出来ることは民間へ」と言う言葉を取り違えているように感じています。
 まだ護送船団方式の幻影を引きずっているのでしょうか?
(それとも、全てを国が管理する社会主義国家を目指しているのか?)

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2007-11-26 09:31) 

たいせい

 まるやさん、はじめまして!
 大工・工務店の方達は、選挙の時には集票に使われているにもかかわらずこれまでほとんど声を上げてなかったのが、ここまで無視されてしまった要因のように感じています。
 今回の事態は、大工・工務店が声を上げないと誰も声を上げてくれない問題で、全建連の呼びかけのような形ででも、もしくは各県の県建連がそれぞれ自分たちに出来ることで良いので、もっと政治的に圧力を発揮していかないと、「次の代に誇りを持って残せる仕事」が無くなってしまいそうです...。
 福田首相が婚国旗あの所信表明演説で言った「200年住宅」なんて、調子の良い掛け声に過ぎぬと聞こえてしまいます。

 コメントありがとうございました。
 今後ともよろしくお願いいたします!
by たいせい (2007-11-26 09:57) 

たいせい

 toyoさん、今回の建築基準法改正後の確認申請滞りで、国土交通省や建設族と言われている国会議員の先生方は、は現場の実務を全く把握していないことを露呈したように感じています。
 お役人の出した施策で現場はどれほど混乱し、生活の術を失い路頭に迷う国民が増え、経済全体にもそれほど大きなインパクトを与えるのかをもっともっと自覚して、一つ一つの施策を打ち出していただかないと、業界はますますおかしな事になっていくばかりです。
 何にもしないで居ていただいた方が、どれだけマシか解りません!

 nice! &コメントありがとうございました!
by たいせい (2007-11-26 09:58) 

たいせい

 しゃくとりむしさん、国土交通省や申請窓口のお役人にも是非とも「セルフビルド」に取り組んでいただいて、建築の実際を勉強していただくほかないですね。
 確認申請や中間検査でも、建築の実務を知っている方がそれに当たられれば、書類は少なくとも欠陥建築の多くは発見できるはずですし、少なくとも悪質業者の牽制にはこれ以上の方法はないと思います。
 制度の問題よりも、建築の知識の乏しい方が施策を出したり、実施に当たられていることの問題点の方が遙かに大きいと感じています。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
 こちらこそ事前の確認無しで記事の紹介をさせていただき、申し訳ありませんでした。
by たいせい (2007-11-26 10:08) 

macoto

職人さんの中には
まだまだ、PCや携帯などに
対応できてない人が多いです。
しかし、法を整備している人達は
みんなWEBやPCを駆使できる人
つまり、格差がこのような事態を
招いています。したがって
このように、危機感がない状態が
続いてしまうんですね。
この時代、格差は無くならないでしょう
おそらく淘汰されてしまうんでしょうね。
そして、ホンモノは失われる
日本に未来はあるんでしょうかね?
by macoto (2007-11-26 16:06) 

plusgate

僕も来年にビビッてます。今から情報収集してるんですが、
在来工法対策で、構造計算ソフトの購入を予定してます。
おそらくないと仕事になりそうにありません。
結局、この法改正は何がしたいのかさっぱりわかりません。
by plusgate (2007-11-26 17:01) 

アキラ

私もビビっている一人です。
もう、新築から手を引こうかとも考えています。
お施主様のことだけを考えて、真摯に取り組んでいる工務店ほど、早く陶太されるような気がします。
工務店は体力落ちていますし・・・
by アキラ (2007-11-26 18:54) 

たいせい

 macotoさん、大工・工務店などの建設業界の人たちは選挙の度に動員される割りには自分自身の仕事に関することも含めた国政への発言を行っていません。
 ITによる格差も確かにあると思いますが、自らの仕事に自信とプライドを持ってさえいれば、情報を集めたり意見を言う場面はいくらでもあるように思います。
 これから年末年始の時期に入りますが、国会議員本人や地方議員(秘書なども含めて)を新年会などに呼ぶ組合の新年会や総会のシーズンでもあり、自分で意見を伝えられる範囲に限られますが、それらの場で国会議員本人に球場を知らせる活動を行おうと考えています。
 何よりも大切なのは、「自分の仕事を誇りを持って次の世代に引き継ぐ、プライドと意志」だと思います。

 nice! &コメント、ありがとうございました!

PS.
 自分自身で国会議員の先生方と接触をしていて気がついたのは、国会議員の先生方と言えども「地に足のついた現場の情報や意見」を、実は何よりも欲しがっていると言うことです。
 自信を持って発信すれば、思っていた以上にたやすく国会やお役人まで届きます。
by たいせい (2007-11-27 10:27) 

たいせい

 plusgateさん、今回の建築基準法改正でどの程度国土交通省が実効性確保を真剣に考えているか?は、徐々に始まり始めたであろう「中間検査」の実施状況を注視したいと考えています。
 「中間検査」をがこれまで通りの名目上の検査で実質の伴わないものであったとすると、入り口をどれだけ厳しくしようとも出口がズルズルの「ザル法」に化してしまいます。
 恐らくはマンパワーの問題で、たいしたことは出来ないと予測していますが、だとすると本当に何のための法改正なのか?訳のわからない事態になり下がってしまいます。

 法の実効性の確保すら出来ないのに、来年末にさらなる大混乱なんて事態は勘弁して欲しいです!

 コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2007-11-27 10:44) 

たいせい

 アキラさん、在来工法の新築が激減すると、数十年後にはリフォームや増改築の仕事も最終的にはなくなると感じています。
 和瓦の場合で言うと、新築での採用率が減って屋根工事業者は屋根の葺き替えに注力しましたが、5年から10年の仕事には成るのですが、新規の対象住宅が増えなくなったことにより、暫くすると和瓦の屋根工事自体が無くなってきました。
(その間、仕事量の確保は出来たので、業界では新築に対する対策を行ってきませんでした)

 苦しくとも、新築に対する対処をしてしっかり守っていかないと、木造在来工法が今の和瓦の沈滞減少のようなことになってしまう懸念を感じています。
 少なくとも、私は今やれることは後悔の無いようにやっておきたい!と思っています。
(自らの無力さに辟易としています...。)

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2007-11-27 10:57) 

浜松自宅カフェ

ご指摘は基本的に本質を捉えていると思いますよ。
在来構法も伝統構法においてもキチンと構造計算ができる技術者が
少ないのも事実だと思います。
また、壁量計算に比較して、構造計算の方が優れていると言うものでも
ないようです。

それにしても、瓦屋さんがよくぞここまで勉強されたものだと思います。
構造の問題は、突き詰めると地盤工学や地質工学まで理解しないと
本質的な解決にはならないと思っています。
なぜなら、地盤によって地震時の揺れ方は違うからです。
構造計算と言っても躯体(骨組み)だけじゃなく、本来はコンクリート基礎の
構造計算も必要だし、杭基礎にだって構造計算は必要なんです。
事実、公共工事ではそういう設計を行なっています。
ただし、設計施工分離が前提となっており、キチンとした測量図や
地質や土質試験もなされます(すべてではありませんが)。

複雑な木構造の構造計算を、中途半端な知識でソフトを使って計算する
よりも、従来通り壁量計算をした方が安全性は担保できるかも
知れませんね。

と、こういう言い方は一般の消費者には疑問に思われるかもしれません。
本来、建築エンジニアは深い構造技術を持って善良に良質な建築を
供給するべきだと思いますから。
それを「あるべき姿」として、現状のレベルから段階的に整備していき、
それに掛る設計コストを発注者が負担できるならと言う前提です。

こういう時、二宮尊徳の「道徳なき経済は罪悪、経済なき道徳は寝言」
と言う言葉を思い出します。
by 浜松自宅カフェ (2007-11-27 14:12) 

たいせい

 浜松自宅カフェさん、国の政策と言えども押し流されるのが嫌で、自分なりに勉強させていただいた結果なのですが、お褒め下さり恐縮です。
 実際に設計実務に関わられていらっしゃる方達にも沢山コメントいただき、とりあえず改定記事を書かなくとも良さそうなので安堵しているというのが、とりあえずの心境です。
 この記事を書くのが本当に気が重く、自分の勘違いであればよいと思いつつも、もしこれが現実であった場合の影響の大きさと言うことを考え、勇気を持って記事にしました。
(ネット上の情報は、未だに確認申請の進捗状況のみにフォーカスが当てられ、中間検査を扱ったものや、この記事のように来年末の4号特例廃止を扱ったものがほとんど無く、問題意識を感じていたこともあります。)

 なお、本日業界紙ルートで4号特例廃止に関わる情報が入ってきましたので、もう少し確証が取れた段階でまた記事を書こうと思っています。
 内容は、来年末の4号特例廃止後の確認申請用の書類及びシステムの検討委員会のメンバーの方の又聞き情報なのですが、「4号特例廃止後」も「壁量計算」を構造計算の一つの手法として残す方向で調整が進んでいるとの情報でした。
 正式には来年春の公開に向けて準備中だとのことですが、一筋の灯りが見えてきたように感じました。
 ただ、今の段階では適応範囲が明確でなく(建物の大きさなど)、まだまだ草案段階でつぶされてしまう可能性もあり様々なルートでの問題提起が必要には違いないのですが、ソフトランディングに向けた道筋は見えてきたように感じました。
 ここ暫くは「次の代に誇りを持って残せる仕事」の為、自分に出来る事を自分なりにやっていきたいと思っています。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2007-11-27 16:33) 

うろこ

はじめまして。最近エコリフォームの事を調べ始めて、建築関係の現場が大変な事になっている、と知りました。本当になんの為の改正なのか分かりませんね(改悪ですよね…)
トラックバックさせて頂きました。(たぶん通ると思うんですが…たまに駄目な時がりますので;;申し訳ありません)よろしくお願い致します。
by うろこ (2007-11-27 17:27) 

たいせい

 うろこさん、今回の建築基準法改正は、お役人の責任回避のためとしか私には思われません。
 少なくとも、現場での実務とは全く離れてしまったところで発想されている事が明白になったと考えています。
(国会でこの議案を通してしまった国会議員の先生方も、与野党問わず共同正犯です。国会での論戦も注視していましたが議論が本質に辿り着いていなかったと感じました)
 予測されるリスクを考えると、本当に気が重いです。

 コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2007-11-28 17:47) 

こう

役所も必死だと思います。
しかし、現場を知らないために、悪法を作ってしまったパターンだと思います。
また、結局は利権がからんでもいるでしょう。
やはり、家みたいに生活の根幹に関わる物は、地元の地盤や気候、風土などを理解していないと、まともに作れないと思います。
 どんなに複雑な構造計算を作って、パラメーターを大量に入力しても、熟練工の判断と比較にならない程度の答えしか期待できないと思います。

 一時の騒ぎで、何百年も蓄積された技術が無くなったら、大変な損害です。日本の価値がどんどん無くなっていくような気がします。
by こう (2007-11-28 22:46) 

たいせい

 こうさん、ハウスメーカーの欠陥住宅訴訟をモニターする度に暗澹たる思いを感じるケースが多く成りました。
 仰るように本来の建築産業の担い手は、それぞれの地場で責任施工を標榜し、地域に対する責任を感じて下さっている中小規模の大工・工務店でなければならないと思います。
 国の住宅政策の基本は、責任施工にこだわる各職域の職人や建築業者が、堂々と生きていける環境作りが第一で今のやり方は建築を良くすることには必ずしもつながっていないと感じています。
(職人の選別は必要ですが、施工にこだわりを持ちちゃんとした仕事をした方が食えると言う状況が出来れば、大半の職人や建築関連業者の意識はそちらに向かうはずです)

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2007-11-29 12:36) 

MSF

はじめまして。
『4号特例』の廃止に関しては知らない人も多く。6月の改正後、大丈夫だったと思っている住宅関係者は非常に多いと思います。
本当の改正の影響はもう一年先にやってきますね。
今回4号規模の木造特殊建築物(1号)を経験しましたが、その内容には
驚くものがありました。
この経験を生かして一年後に向けて勉強会でも作ろうか思っています。
by MSF (2007-11-29 18:57) 

たいせい

 MSFさん、 木造特殊建築物(1号)の確認申請、実際に通されたのですか!?素晴らしいですね、もしお話がお聞きできる機会があったら是非私も聞いてみたいと思いました。
 まだ読み込んではいませんがBLOGの方も見させていただきました。
 豊川にはうちの瓦は行っていませんが、友人が何人かおりひょっとしたらどこかで共通の知人が居るのかもしれませんね。
(先週も豊川の友人と名古屋で飲んでいました)

 「4号特例廃止」については仰るとおりで、友人の大工の話によると愛建連として県内数カ所でこの件についてのセミナーを最近行ったそうなのですが、業界関係者でもほとんど関心が無く動員にかなりの苦戦が強いられたそうです。
 来春に、4号特例廃止後の申請形式や実際の申請書類が公開になると聞いていますが、公開後では国土交通省にもメンツがありそう簡単に変更に応じなくなることが明白ですので、今の段階で業界としての問題提起をして、何らかの圧力をお役人に感じていただかないと大変なことになると思っています。
 自分の仕事は自分で守らないと誰も守ってはくれない事に、業界関係者は気がついて欲しいです。

 コメント、ありがとうございました!

PS.
 前のコメントでも書きましたが、来春公開後予定「4号特例廃止後の申請書類」の検討委員会メンバーからの情報が又聞きで入ってきました。
 それによると、、「4号特例廃止後」も「壁量計算」を構造計算の一つの手法として残す方向で調整が進んでいるらしいです。
 ただし、今の段階では適応範囲が明確でなく(建物の大きさなど)、まだまだ草案段階でつぶされてしまう可能性もあり、様々なルートでの問題提起が必要だと感じています。

 もう少し確証が取れましたら、改めて記事にしたいと思っています。
by たいせい (2007-11-30 11:12) 

私も先週、建築確認がやっと一件下ろすことができました。私の場合は3号の建物でした。規模は鉄筋コンクリート1F+木造2Fの計3階建て、私の建築士の免許の許すところかつ、構造計算の適合性判定にならない範囲の高さと軒高の範囲内におさまっているものです。用途が戸建ての住宅だということもあり、書類が多くなってきたとは感じませんでした。ただ、これは必要なの?つまり、審査する人はしっかりと見てくれるの?と思わんでもない仕様書、認定書が50ページくらい付いてしまいました。途中の審査で何回か図面の追加や構造計算書の再提出を求められてしまいましたので、最終的に担当官庁に残してきた建築確認申請書の正本はコクヨガバットファイルが一杯になってしまいました。
さて、4号特例の廃止についてですが、私も反対です。すべてが計算で済まされるほうが危険だと感じていますので。計算されているからOK。書類が整っているからOK。となりかねないのではないでしょうか。
加えて問題が何点かあります。
・建築確認は全国どこでも必要なわけではないということ。
・構造ばかりにコスト偏重の傾向では家として建物としての性能に無理が出てしまうのでは?
・すべての建築物の生産に関わるために必ずしも建築の工学的な知識を要しない範囲もあるということ。
最終的には消費者圧迫。大資本のみ対応化。金次第になるということ。
シックハウスが問題視されたときは原因となった既存住宅にはほとんど改善の法は強制力がありませんでしたから。
by (2007-12-08 14:14) 

たいせい

 ヒゲボーズさん、今回の一連の騒ぎに恐れをなしたのか?4号特例廃止後もとりあえず壁量計算を構造計算法の一つとして残す方向で検討が進んでいるとの情報を耳にしました。
(とは言っても有識者の検討会議レベルでの話で、国土交通省からの原案の提示がどうなるかは予断を許しません)
 コメントに書いてくださった3号建物の申請書類の量ですが、4号特例廃止後に戸建て住宅の申請書類が全てそうなるとすると、お役所の書庫も大変な状態になってしまいそうですね。
 設計の実務は私にはよく解りませんが、一般論として書類の量が増えれば増えるほど確認は形式的になり、申請の中身よりも書類自体のチェックが増えるという本末転倒な自体になっているような気がしています。
 仰るように、地域に根ざしたこだわり建築の担い手が生きていけるような制度でないと何かおかしいと感じています。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2007-12-11 13:35) 

iruma_w

ブログ駆出しで写真なしですみません。

ごもっともと思います。
木造の構造計算って、数字にするのが妥当かどうか?
昔は勘とか実績とかで、地域で決まってたりしたんじゃないでしょうか。
長年の勘は頼りになるんだと思います。

面剛性にしても計算式にするのは難しいと聞いたことがあります。

さて、今後どうなってしまうんでしょう?

by iruma_w (2008-04-03 17:36) 

たいせい

 iruma_wさん、今年末によていされていた4号特例廃止については一応日程の白紙化と言うことになったようですが、新たにスケジュールの決定がされた時点で、もう戻しようのない日程に入ってしまうように感じています。
 壁量計算については残す方向で検討が進んでいるとの情報も入っていますが(昨年末に試案が今春発表になると聞きました。)、いずれにしても大きな変化になることは避けられず、町場の工務店が今まで以上に建築の担い手としての資格を失わされる政策だと感じています。

 消費者保護という観点も解らないではないのですが、こと住宅に関しては確信犯で方にお編み目をかいくぐる業者は「新たなる対策」を編み出すだけのことで、本質的には規制の編み目を規模しくすることではなく建築の担い手にプロとしての仕事が出来る環境を与え、プライドを持った仕事に取り組む危害を与える以外に方法はないように思っています。
 何か国素政策のこと如くが悪循環をおびき寄せているように思えて仕方ありません。
 nice! &コメント、ありがとうございました!
 今後ともよろしくお願いいたします。

PS.
 以下に、この記事以後の4号特例廃止の動きについて書いた記事があります。
 宜しかったらお読み下さい。

建築基準法「4号特例廃止後の確認申請情報」「廃止日程の白紙撤回」(平成19年6月20日建築基準法改正)
http://kawaraya-taisei.blog.so-net.ne.jp/2008-01-11
by たいせい (2008-04-04 08:40) 

木造研究人

たまたま通りがかりましたが、構造計算について、あまりに分かっていない素人内容ばかりだったので、書き込みます。

ご自身で、許容応力度計算を、行われたことがあるのでしょうか?
そんなに難しい内容ですか?

壁量計算の中身というのは、極めて単純なものです。
複雑な形状の建物には対応出来ませんし、水平構面や各部のたわみ、
層間変形角なども、一切考慮しません。
構造計算を行わない場合でも、最低限、品確法程度の計算はしてもらい
たいものです。

木造にも構造計算を義務付けるべきだというのは、木造の研究者の中
では常識ですし、故杉山先生もそう言ってみえたでしょう。

木造に関わる者として、もっと勉強して頂きたいと思います。


参考
http://homepage2.nifty.com/tomoiki/kouzou/index.html
by 木造研究人 (2008-04-18 00:46) 

たいせい

 木造研究人さん、まず私がこの一連の記事を書くベースになっているのは阪神大震災以来の被災現場の多くを実際に糞で感じた経験で、壁量計算によって設計された建物でも新耐震以降の建物であれば壁量計算であろうとも実際の地震にも十分に耐えることが出来、むしろ建物被害の要因は低コストを目指すことに寄る「手抜き建築」や、「結露によると思われる腐朽」シロアリなどによる虫害」などの方が遙かに大きな問題と感じているという点です。
(被災地調査の報告はこのBLOGで何本も記事にしてありますので、そちらをお読み下さればと思います。この辺りの出発点の違いが、認識の違いになっていると感じます)
 国の政策が一般住宅の災害での被災を抑えることであるとすると、緊急の課題は設計方法の問題ではなく、手抜き工事を如何に無くすか?を優先にすべきで、昨年のような基準法の改正や4号特例の廃止以上に中間検査や完成検査の確実な実施の方を優先して取り組むべき課題だと考えています。
 別に壁量計算以外の設計法を否定しているわけではありませんし、他の設計法で設計した方が適当な場合はそっちらで設計すればよいと思います。
 ただし私の方も、瓦メーカーとして何人かの建築を専門とする大学の先生方と直接お話しさせていただいている中で、壁量計算も歴史の風雪の中で成熟度が上がり、それなりに完成度の高い設計法だとのコメントを耳にしており、一概に否定する気にはなれないだけの話です。
 少なくとも政策的には、平成20年末に突然廃止、(この記事を書いた時点での情報)というのはあまりに唐突すぎ、もう少し時間をかけた形での運用の変更を行っていかなければ昨年の建築基準法改正時以上の大混乱を建築業界に巻き起こすだけではないか?と言うのが、この記事の意図です。
(そう伝わっていなかったとすると、私の筆直不足です)
 建物の最低基準を定めることが建築基準法の目的であるとすると、もっと先にやらなければならないことがあるように感じています。
 瓦という建材メーカーとして一応建築に関わる者の立場で、そう考えています。

 コメントありがとうございました!
 
by たいせい (2008-04-18 09:46) 

木造研究人

>新耐震以降の建物であれば壁量計算であろうとも実際の地震にも
>十分に耐えることが出来

木造の在来工法に限れば、耐震性において1981年の新耐震は大きな意味を持ちません。
「新耐震以降の建物であれば・・・」というのが、そもそもの大きな勘違いです。
木造の在来工法で大きな意味を持つのは、2000年の法改正です。
法改正の中身が全然違います。
こんなことは、木造に詳しい人であればみんな知っています。

http://www4.kcn.ne.jp/~taharakn/column/064.html
http://www4.kcn.ne.jp/~taharakn/column/065.html

>ただし私の方も、瓦メーカーとして何人かの建築を専門とする大学
>の先生方と直接お話しさせていただいている中で、壁量計算も歴史
>の風雪の中で成熟度が上がり、それなりに完成度の高い設計法だと
>のコメントを耳にしており、一概に否定する気にはなれないだけの
>話です

その先生とは誰でしょうか。
私は研究室の関係上、多くの木造研究者と関わりましたが、壁量計算
だけで十分だという方にお会いした事がありません。
しかし、木造にも許容応力度計算を義務付けるべきだとおっしゃる方は、たくさんみえました。
木造の構造計算義務化は、昨今始まった話ではなく、数十年も前から
言われていることなのですが。

中間検査、完了検査をしっかりしたとしても、そもそもの設計自体に
あいまい・不明瞭、みなしの多い計算が多くては意味がありません。
基礎1つとっても、現在の一戸建ては、強度・構造的な裏付けの無い
ものがほとんどですよ?
by 木造研究人 (2008-04-19 01:11) 

たいせい

 木造研究人さん、この記事では記事本来の訴えとは異なりますのであえて触れてありませんが、他の記事で平成12年の建築基準法改正についても触れてあります。
 私の見解としては前のコメントに多くを書いたので重ねては書きませんが、現在の法体系の中で”それなりに”耐震性能の確保された建物が建っており、実際の中越地震などで自分自身が見、また建築相談窓口などで対処された建築士などの話から実際の倒壊建物は、建築基準の問題以上に手抜き工事や構造材の劣化による物が非常に多かったとの見解を元に、現時点でまずやるべきことは中間検査などの確実な励行だとの考えを書いた記事です。
(自治体にも寄りますが、現在の中間検査や完成検査は行われたとしても形ばかりの物で有る場合も多く、確実な実施だけでも十分な牽制になりますし、地震被災地などでの倒壊事例なども基本的な不備が多かったと聞いています。別な工事監理の仕掛けを考える必要があるのかも?)

 構造計算については否定しているつもりはありません(その意味で前のコメントでも「それなりに」という表現を使ったつもりです)、ただ昨年の建築基準法改正の騒ぎを見るに付け、4号特例の廃止を矢継ぎ早に打ち出すことについての危険性を強く感じています。
(コメントで読む限り平成12年の改正後の物は「それなりに」評価していらっしゃると感じましたが...。)
 現時点では日程の白紙化が明確になりましたが、今までの方法を改めるのにろくな周知や指導もなくただ闇雲にそこに持っていこうというお役所の進め方に、木造関係者は異議を申し立てるべきだと思っています。
 記事中でも書きましたが、「真に建物の信頼性を高める改正であるのならば建築業界として越えねばならぬ壁」だとの認識は持っていますが、先にやらねばならない事は別のことではないでしょうか?
(許容応力度計算が簡単だと仰るのであれば、研究の枠でではなく一般の木造建築の担い手の大半が実施できるような措置を執っていただきたい。行政や研究者の方達の手でそれが出来ているのならば、全く異議はありません。)

 私の方の情報では、4号特例の廃止に併せて壁量計算ほ拡充される形での申請フォーマット(設計法?)が有識者の委員会で検討されていると聞いています。
 現在の建築業界の現況を鑑みた形で、今よりも実効性のある方法が有識者の間で検討されているはずだと思っていますが、是非それが発表になった段階で、木造研究人さんとの議論が聞いてみたいと思います。

PS.
 私個人としては、仮にどんな構造計算がされていようとも、プレハブメーカーやハウスメーカーが建てた家よりも、壁量計算であっても顔が見える関係で建てた責任施工を標榜する大工の建てた家のほうが、信頼性は高いと感じています。

PS2.
 私がどういう立場でこの記事を書いたかは、本文を読んでいただければ解ると思います。
 このBLOGの記事自体余り理一般の方は読まれない記事で、それなりに判断する力のある方が読んでいらっしゃると思いますし、既に半年前の過去記事で特にキーワード検索でわざわざ引っかかった方しか来ない記事ですので、あとは読んでいただいた方に判断していただけたらともいます。

(こちらの情報はオープンなのに、相手のことが解らずにコメントを書くのは難しいです...。木造研究人さんのことを悪く思ってと言うことではなく、単純に難しいと感じました。)
 
by たいせい (2008-04-22 13:40) 

通りすがりの木造屋

私は現在の壁量計算は不十分だと思っています。

現に構造計算をしてみますと、一般的な100m2の総2階建ての家で、
軽い屋根の場合、1階の必要壁量は29cm/m2ではなく36cm/m2に
なります。品確法でも1.25倍で45cm/m2、1.5倍で54cm/m2を要求
しており、構造計算の内容と一致しています。

また、最近の実大加力試験によりますと、わざと壁量ギリギリで
設計した建物の場合、(靱性のある構造用合板を使っていたにも
かかわらず)、比較的容易に倒壊しました(もちろん新品です)。

もうひとつの重大な要素として、複雑な形で耐力壁が上下階で
そろっていない建物の場合、必要床量が不足していることを
見逃しています。

従って、構造計算をするのがもっとも理想的ではありますが、
少なくとも必要壁量の見直しはしなければならないと思います。
構造計算をしたことがないから、4号特例廃止反対というだけでは、
全財産を投じて木造住宅を購入するお施主様にとってあまりに
失礼な話になると思います。

さらに重要なのは、構造計算書の通りに作られていることを
保証する検査体制です。木造3階建てでは既に構造計算書
があるはずですが、ホールダウン金物が1階のみで2~3本しか
なかったりするなど、明らかにおかしな現場を多く目にします。
使っている釘の種類もN50やCN50ではなく、NC50やPNF2150
など非常に細いもので、壁倍率を全く満たしていません。
このような施工は、地元でかなり信頼ある工務店でさえ結構
やっています(すべてではありませんが)。
このような住宅さえも、ある第三者検査機関は合格させています。
by 通りすがりの木造屋 (2008-05-05 10:22) 

たいせい

 通りすがりの木造屋さん、この記事には大変多くのコメントが付いていて重複する点が多いのであえて何度も触れませんが、この記事を書いた一番の目的は昨年の建築基準法の改正に伴う確認申請の滞りなどで建築現場は大変な混乱状態となり今もまだこの影響は残っています。
 小規模の木造戸建て住宅については、当初の混乱はあった物の4号特例という形でなんとかこれを回避したわけですが、この記事を書いた時点で予定されていた今年末まででの4号特例の廃止が実施されているとすると、昨年の建築基準法改正時以上の建築現場の大混乱が起こる恐れが多大だと言うことに対する警鐘記事として書いた記事です。
 壁量計算の是非については、様々な技術的な進歩で変わって行くにせよ何度も書いていますように現時点では”それなりに”よく考えられた設計法で、建築現場での普及も進んだ方法だと感じています。
 設計法の大きな流れとしては、性能表示制度や性能規定の普及で今後いわゆる構造計算の比率が亜合いていくことだろうと思っていますし、それを否定する物ではありません。
 指摘の加震試験などもここ数年来の実験でのことで、その結果が建築現場に普及するのはまだ数年の時間が必要だし、現に壁量計算自体が実際に起こる地震の結果により改良が加えられて現在の設計基準があり、また何らかの設計基準の変更で完成度が上がってゆく可能性もあると思いますがいかがでしょうか?
(予測以上に耐久性のあった木造建築なども、伝統構法を中心にかなりあったとも聞いています。現にいわゆる構造計算の場合も、様々な実験や理論検証の中でここ十数年の間に設計基準が変わってきたと認識しています。)

 ただ木造建築について(木造に限らずですが)現時点で一番問題が多いと感じているのは、ご指摘いただいているような検査態勢の問題で、コメントいただいたのは新築での検査の実態についてなのですが、新潟県中越沖地震の住宅相談窓口に実際に立たれた建築士会の方達の話で、接合不十分による筋交いの脱落などの手抜き工事と思われるような被害事例や、シロアリなどによる構造材の腐朽による当会などの基本的な問題による当会が非常に多かったとの話を聞いており、行政の側で緊急に抜本的な対策を取る必要があるのはそちらの方だと強く感じています。
(日本建築学会近畿支部編「兵庫県南部地震木造建築物の被害編」によると、阪神大震災の東灘区の倒壊住宅の80%にシロアリ・腐朽による物だとの記述があると聞いており、阪神大震災時点でも設計法以前のの問題が非常に大きいのは明らかで、壁量計算でも当時と大きく設計基準が変わっている昨今であれば、まず手を付けなければならないのはこれらの対策や検査体制では?)

 いずれにしても、私の業界ルートの情報で4号特例廃止後の確認申請フォーマットが用意されつつあり、その申請書類は壁量計算を元に4分割法・編芯率などを加味した形で用意されつつあると聞いています。
 壁量計算の是非については、公開後のパブリックコメントなどを通して様々な議論が公的な場所で行われることになるのではないかと私自身楽しみにしています。
 前々回の建築基準法改正時には、瓦メーカーとしての私の立場でパブリックコメントに意見を提出し数度の議論の末に、それなりに身のある答えを得ることが出来ました。
 技術的な検討に関してはその結果を私も見守ることになりますが、そちらで議論なさってはいかがでしょうか。

 私の思いは一つで、昨年の建築基準法改正後の大混乱を、4号特例廃止時に再び繰り返して欲しくないという一語に尽きます。
(制度の変更に有る程度の混乱はつきものでそれを否定するわけではありませんが、この記事の時点では書類のための書類作りや、何のために行ったか結果として訳が分からない制度の変更などを懸念していましたし、今でもその疑念は持っています。)

 コメント、ありがとうございました!

 
by たいせい (2008-05-07 09:48) 

mataro

設計事務所に勤務しています。一言・・木造の研究ができる学者さんだけで現在の建築の実態が進んでいるわけではありませんよね?構造研究者だけで住宅を設計することは可能でしょうかね?もしそれだとかなり建築が停滞すると思いますが。・・ある程度(現在の4号程度)構造的なものを簡略化して、良心とかアイデアという感情的なほうに振り向ける考えもあるのではないでしょうか?・・私は得意でないですが、必要なときは構造計算をします。たますると難しいですよ。数字だけ見てると計画をしている時より個人的にですが、感情がすさんできます。工務店の大工さんなど木造の伝統的技術者の職人さんを現場の責任者から排除してどうするんですか?(彼らは何も言わず黙々と仕事をします、黙って職を辞していきます・・構造計算が得意な方はなんとも思わないのでしょうか?)
by mataro (2014-03-15 11:27) 

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