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三島由紀夫「鹿鳴館」を観てきました! [芝居見物記]

 先週一週間東北方面を出張していて、BLOGの更新が出来ず、「目指せ、週一回の更新!」を果たすことが出来ず、申し訳ありませんでした。
 
 出張期間中瓦業界について多少思うことが出来ましたので、そのうち(出来れば2~3日中)UPさせていただきますが、今回は一昨日観劇した三島由紀夫の「鹿鳴館」について書かせていただきます。

  
 
 ここのところミュージカルの観劇が相次いで、台詞だけで進行する芝居を観るのは数年前の「ハムレット」以来でした。

(決して劇団四季の舞台にこだわっているつもりはないのですが、観たいと思える芝居が名古屋に来なくなったせいもあるかもしれませんが、昔のように沢山の芝居を観て「珠玉の宝石」を探すような作業が出来なくなってしまいました。:とりあえず四季の芝居は当たり外れがそれほどありませんので、結果として四季の芝居ばかり観に行く羽目になっています。)

 
  とあるMLなどを読んでいて、あらかじめ戯曲に目を通して筋立てを頭に入れておかなければ楽しめないのではないかとの不安も持っていましたが、先の読めない物語の進行を十二分に楽しむことが出来、私の場合はむしろ読まないで観に行って良かったと思いました。

(よく考えてみると「鹿鳴館」は原作の芝居化ではなく、芝居を構成するために書かれた「戯曲」なので舞台を観れば十分理解が出来るはずであり、「戯曲」を読まねば理解できないのであれば、それは作品としては失敗作ではないか?などと浅知恵を働かせたこともあります。:本音を言うと、本は買ったのですが読む時間がありませんでした)
 
 
 その時の「ハムレット」と比べて今回思ったのは、「日本語」の心地よさでした。
 物語としての論理構成(筋書きや心の動きなど)の複雑さはおそらく同程度なのでしょうけれども、「台詞(セリフ)」のみで淡々と進められる進行は、日本語で発想されて、はじめから日本語のみで作られている芝居である「鹿鳴館」のほうが、遙かに自分の心にマッチし、優れた物のように感じられました。

 思うに「ハムレット」も、英語を母国語とする人たちや英国の文化や習慣に日常的に接している人たちならば、文化を共有するものとして、深いところを感覚的に感じることが出来るのでしょうけれども、いかんせん日本人である私が観る分には翻訳劇になる訳で、言葉以外の思考法や空気感の点でシェークスピアが本来伝えようとしたことの数分の一しか伝わっていないのでは?と思えてしまいました。
 
  
 
 劇団四季と言えば、「CATS」「ライオンキング」などの輸入物のミュージカル劇団とのイメージがあるかもしれませんが、「鹿鳴館」は名古屋に先立つ東京公演では当初の予想(私だけかも?)に反して延長に次ぐ延長でロングラン公演の体をなし、その余韻を引きずった形での素晴らしい舞台でした。
 
 
 やはり三島由紀夫の作品でもあり、独自の世界観と美意識に裏打ちされた独自の「格調」を感じる事が出来、いわゆる「純文学」の世界の映像化がそこにはありました。
 
 今の私と言語・文化・習俗を共有する優れた作家・作品の存在は、貴重な物で自分にとってたとえようのないほど幸せなことだとあらためて気がつき、久々に純文学の本に触れたくもなっています。
(最近は、評論やノンフィクション・ドキュメンタリー・エッセイなんかばかりを読んでいて、気がつけば20年くらい、そんな本を読んでいません....。)
 
 劇団四季のHPの200字批評では「日本語の美しさを知ることが出来た」とのコメントが多く書かれていましたが、私はむしろ「日本語の美しさ」と言うよりも、淡々と進行する台詞のやりとりの中での「“間”の美しさ」と「自分の心に伝わる“論理構成”の美しさ」を感じ、同時に日本文化特有の「空気感」の素晴らしさを思いました。
 
 そして、言葉だけではなく舞台美術に於いても、旧侯爵家の和風庭園の一隅を切り取ったものがそこにあり、舞台を仰ぎ見るだけでもため息が出るほど美しい光景(何故か心の安らぐものでした)がそこにひろがり、そこに展開される芝居は、語尾の変化の一つ一つをニュアンスとして理解できる「選び抜かれた言葉」によって進行してゆき、さらに洗練された日本人特有の「美しい挙措動作」を元にした役者の演ずる「瞬き」や、「ちょっとした仕草」の一つ一つさえも実に自然に頭の中に飛び込んで来て、美しい物語の世界特有の陶酔感がある幸せな時間を過ごすことが出来ました。
 
 嗚呼、やはり「日本文化は素晴らしい!」
 
 この場を与えていただいた浅利慶太さんをはじめとする劇団四季の皆様と、三島由紀夫に感謝いたします。
 
 
 
PS.
 なお、一緒に観に行った女房の評価もすこぶる高く、観劇後「もう一回観に行きたいけどチケット取れる!?」とのコメントがあったことを申し添えさせていただきます。
 
劇団四季 ステージガイド 鹿鳴館
http://www.shiki.gr.jp/applause/rokumeikan/index.html


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コメント 2

よしたかです。

こんにちは、鹿鳴館は大変良かったみたいですね!
私も見に行きたかったのですが、なんやかんややっているうちに
チケットを買いそびれてしまいました。
名古屋にはしばらく来ないと思いますので、
どこか違うところで見たいと思います。
ちょっとひまになってからですが・・・
by よしたかです。 (2006-09-01 15:18) 

たいせい

 カーテンコールで、私が珍しくスタンディングしようとしたら、とても短いカーテンコールで肩すかしを食ってしまいました。(余り早く立ちすぎると後が大変なので(立ち続けるのが)、少し様子を見たのが大失敗でした。)
 「壁抜け男」「異国の丘」クラスの感動がありました。(感動と言うよりも、今まで味わったことのない「陶酔感」とでも言えばいいのでしょうか?)

 これがあるから、生の舞台はやめられません!
by たいせい (2006-09-01 15:28) 

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