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「瓦屋根は地震に弱い」は、正しくない!?(阪神大震災) [屋根には「瓦」]

 「瓦屋根は地震に弱い?」と一般的には考えられているようですが、建物の築年度による要求仕様の変遷が本質的な要因であり、「瓦屋根だから地震に弱い」というのは正しくはありません。

  阪神大震災の被災地(神戸市灘区)

 前の記事で書いたE-ディフェンスでの木造家屋の倒壊実験の記事を見て、ショックを受けられた方もあろうか思います。

 また同時に、阪神大震災の際TVで繰り返し流されてきた、木造家屋(瓦屋根)の倒壊映像を思い起こされた方もいらっしゃったのではないかと思います。

 E-ディフェンスでの耐震実験

山本大成 「かわら屋の雑記帳」地震で家が壊れる様を見てきました(E-ディフェンスE-ディフェンス耐震実験、そして瓦屋根)3/10追記有り
http://blog.so-net.ne.jp/kawaraya-taisei/2007-03-08


 ここであえて言いますが、これらを見ておそらく皆さん方が思われている「瓦屋根だから地震で倒壊した」という認識は間違っています

 

 阪神大震災の被災現場には私も1ヶ月後に行きましたが、瓦葺き木造建築だけではなく、鉄筋コンクリートのビルや家屋、薄型スレートで葺かれた家もすべて等しく被害に遭っています

(斜めになった高層マンションや、ワンフロアが丸々つぶれた鉄筋の建物、鉄筋コンクリートの高速道路も同時に見ていらっしゃるはずです)

 
 手前の建物は倒壊。奥の家は無事に見えますが、左のビルは傾いています(神戸市中央区)

(何故、瓦屋根が地震に弱いという一般の認識になったかというと当時の築年数の古い家屋のほとんどが、木造在来工法瓦葺きであり、それが繰り返し映像で流れたからそんな印象になったに過ぎません。)

 
 瓦に見えるかもしれませんが化粧スレート波形の屋根です(芦屋市)

 それならば何故古い建物が被災にあったか?というと、建築基準法の耐震基準の変遷によるもので、建築基準法改正の年度を追うとよく解ります

 建築基準法は数次の地震での被災状況に合わせて、幾度も改正が行われていて特に昭和56年以前とそれ以降では大きく内容が異なります。

昭和56年以前の建物は「旧耐震基準」と言われる建築基準で建てられていて、接合部の金物がなかったり、現行の耐震基準では耐震力の低い「木ずり壁」で作られていたり、「筋交いが少ない」建物が多く見られ、なおかつ老朽化も進んでいます。

 これらが、震度7の地震にあって被災したわけであり、その時期の建物の大半が「木造在来工法瓦葺き」であったから、映像的にTVで多く流れたに過ぎません。

鉄筋コンクリート建物についても同様の基準でしたから被災しましたし、軽い屋根の被災建物もいくつも有ったことを確認していますし。瓦屋根でも被災を免れた建物もいくつもありました。)

 
 崩壊した高速道路際の、無傷な住宅(神戸市長田区)

 ハウスメーカーの一部が自分の所で建てた家は、阪神大震災で倒れなかったと言っているのは、これに該当する建物がなかっただけで、消費者を無用な誤解に導く宣伝のマジック以外の何者でもありません。

 

 
 鈑金屋根:構造が崩壊して隣の建物から分離しました(神戸市兵庫区)

 建築基準法は、その後更に阪神大震災での教訓を盛り込み、「耐力壁の配置のバランス」「金物」「基礎形状」など、平成12年にまた改正され耐震性が強化されて現在に至っています。(詳しくは下記HPをご覧下さい。)

地震に強い住まい造り 建築基準法の変遷 -倒れた家、倒れなかった家-
http://www5a.biglobe.ne.jp/~saisen/taishin/003.html

建築基準法の木造住宅の耐震基準の変遷
http://total-reform.com/law-taisin.html


 では、実際に「瓦屋根」と「軽い屋根材」とでは構造的にどの程度の違いが出るのでしょうか?

 先日、元 独立行政法人建築研究所の岡田恒先生の講演の内容を、又聞きでうかがう機会がありました。

 それによると、

  • 屋根重量を減らすことで耐震性を向上させることは出来るが、軽量化は「強風による吹き上げ抵抗」を弱くする
  • 屋根が軽くなったことに依る水平方項の抵抗力を補うには、結局耐力要素を増やさなければならない
  • 耐震性・耐風性を共に確保しようとするには、耐力要素を増やすことが肝要

との趣旨の話をされていたそうです。

 

 また、新築の場合で下図の木造2階建て1階床面積83㎡の建物を想定すると、現在の建築基準法で定められている「壁量計算」を行っても「壁倍率2倍の壁(耐力:4.5cmの筋交いが入った90cm以上の壁)で1間半の違いしか無く、耐風設計を加味すれば差は更に小さくなる」そうです。

(新設で壁を設けなければいけないのではなくて、現行予定している90cmの壁3枚に筋交いを入れるという意味です)

 ○で囲われた壁に筋交いを入れるかどうかの違い

 意外に屋根による耐震性の違いは大きくはありませんので、キチンと認識しておいていただくと良いのではないかと思います。


 また、屋根の要求性能の第一番目は「家本体を環境の変化から守る」と言う点であり、
葺き替え工事を主に行っていらっしゃる施工店に言わせると、「薄型の屋根材や金属屋根などは野地板の結露による住宅の腐朽化」が多く見られ、「怖くて屋根に上がれない家すら有る」との話を聞くことがままあり、何時までも快適で美しい家に住んでいただくためにも、屋根材は選んでいただきたいと思う昨今です。

住宅の三大要素は、「基礎」と「構造」、そしてそれらを守るための「屋根・外装」だと個人的には考えています。キッチンやお風呂はいつでもリフォームで変えられます。まずは基本が大切です。)

山本大成 「かわら屋の雑記帳」涼しい家と「瓦屋根」
http://blog.so-net.ne.jp/kawaraya-taisei/2006-08-05

 

(写真と図については、それぞれ日本屋根経済新聞社刊「阪神淡路大震災の記録」及び「日本屋根経済新聞2月18日号」から使わせていただいております)


PS.
 地震の際には、瓦が自ら脱落して家本体を守る「土葺き工法」から、葺き土を使わず屋根上の軽い「桟葺き工法」、そして地震では瓦が脱落しない「ガイドライン工法」へと、瓦屋根自体の施工法も変わってきました

 近日中(出来れば今月中)に、瓦屋根の工法の変遷についても記事にしたいと思います。

 

PS2.
 気がつけば、やっと50記事。

 相変わらず途切れ途切れの更新にはなりますが、今後ともよろしくお願いいたします。


 

 

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アキラ

たいせいさんには、このような記事を期待していたのです。
瓦について、私は瓦の専門職ではありませんし、家づくり学院などでも質問は来るしで事実困っていた部分です。
個人的には色々と勉強はしていますが、瓦屋でも聞く人によって答えが違ったり、解らずにごまかそうとする人がいたりでした。

戦前からあるような古い家では、殆どが瓦葺きですが、改修工事の際に「壁の耐力を上げずに、釘止めしている家」は大地震では瓦がずり落ちずに家が潰れてしまうようです。

今後もこのような記事を期待します。
by アキラ (2007-03-13 19:14) 

たいせい

 アキラさん、私は構造の方がよく解っておらず、実はこの記事も恐る恐るアップしました。
 自社のHPのコラムに流用しようとの思いもあって、有る程度定期的に瓦に関する記事を書いてストックしておこうとの趣旨での記事でもあります。
(業界外にはあまり知られていない事柄もあるように思いますので....。)
 私の認識が間違っている点がありましたら、厳しい目でご指摘下さると嬉しく思います。

 なお、「瓦葺きガイドライン工法」「地震による棟の落下」「ラバーロック工法(訪販で流行)は危険」「住宅の3大構成要素は『基礎』『構造』『屋根』」「軽い屋根材は家を守らない」など、書いていこうと思っています。
 もし何か希望の記事がありましたら、リクエスト下されば対応できるのではないかと思います。

 nice! &コメント、ありがとうございました。


PS.
 昔の日本古来の在来建築は、今の枠組みの中では評価できませんね。
 地震が起こったら、揺れで瓦を落とし軽くする、そしてさらには土壁も落として構造部分を守る。被害があっても傾いた柱を引っ張って垂直にし、土壁を塗り瓦を吹き直せば修理完了。
 柱は礎石の上にのっているだけで、地震があっても家本体を揺らさない(古来からあった免震工法)。石からずれた場合は、引き家で元の位置に戻すなど....。
 寺社仏閣などもそうですが、中途半端な改修はむしろ危険を招く場合も多いようです。
by たいせい (2007-03-14 13:38) 

アキラ

私はコロニアルは欠陥商品だと公言しています。
一番耐候性を要求される屋根に、コーキングはあり得ないと・・・
同じ理由で最近の金属屋根の一文字葺き等も反対です。
更にこれらの、雨が廻りやすい屋根材を使うのに、野地板はベニヤ・・・・これも駄目な工法だと思っています。
厚かましいお願いですが、「軽い屋根材は家を守らない」は是非とも見てみたいと思います。
たいせいさんのズバッとした切り口を期待してもいいでしょうか?
by アキラ (2007-03-14 17:18) 

こんばんは。
「瓦が重い」から家が揺れに弱い・・・みたいなテレビ広告を見ますけど、あれを見るたびに、「それじゃあ、うちの実家(築120年強)はなんと説明するのかな?」とテレビに突っ込みを入れています。

>住宅の3大構成要素は『基礎』『構造』『屋根』
その通りですね。

実は私、以前某プレハブメーカーの営業をやっていたことがあります。そのようなこともあって、こんかいのたいせいさんの記事は、非常に腑に落ちた次第です。

瓦の重みと木造軸組工法には、切っても切れない相関関係がありますよね。また、瓦が屋根の構成材を守る働きも、見逃してはいけないと思います。
軸組工法でも、筋交いが適切に入っていて、(耐力壁が適切に配置されていて)屋根材が適正に施工されていれば、簡単には崩れません。

一番怖いのは手抜きですよね。
by (2007-03-15 00:20) 

tono

 本記事とは直接関係なく申し訳ありません。
 拙ブログへのTB&コメントありがとうございます。
 ブログにも書きましたが、紀元節に車で走って国旗が見あたらないと言うのは本当に寂しい限りですね。しょうがないから自分の車にも国旗を揚げました(笑)
 山本さんは、瓦屋さんだったのですね。
 素敵な御職業だと思います。
 私はもちろん専門ではありませんが、瓦、漆喰、土塀、等は、湿度が高く、梅雨のある日本にはとても合うものだと思っています。また、先日は父の友人の大工さんの仕事を手伝いましたが、梁の結合などは神業ですね!この方は特に師匠が宮大工だったことも在るようですが。
 
 今後ともよろしくお願いします。
 ご活躍、お祈り致します。
by tono (2007-03-15 11:58) 

たいせい

 アキラさん、薄型スレートや鈑金屋根は仰るように「家本体を環境変化から守る」と言う屋根材の基本性能から見て、問題のある屋根材だと私も思っています。
 また、個人的には、瓦の場合でも野地板は接着面が防水層になる合板ではなく、杉のバラ板を使うことを薦めてもいます。
(樹脂の心材の入った畳の下の床板も同様の理由で、杉のバラ板が良いのでは?)

 アキラさんのコメント、元気がが出ます。
 問題施工の写真などが手元にないので、順序は多少後にはなろうかと思いますが、「軽い屋根材は家を守らない」の記事、是非とも書いてみようと思います。
(「平板瓦の問題点」「和瓦の新様式」など、ネタは尽きません)

 nice! &コメントありがとうございました!
by たいせい (2007-03-15 12:43) 

たいせい

 まーきんさんの実家(築120年強)、大変素晴らしいですね。
 夏涼しくて、過ごしやすいのではないですか?
 うちの鬼嫁の実家も古いのですが(農家で最近まで牛が一匹飼われていました)、夏の冷房は不要で、お盆に里帰りに一緒に行くと、いつもホットします。
 思うに、最近の工法になったことによって失った物も多いような気がします。
 高断熱高気密が一種の流行ですが、この考え方の住宅が日本で本格的に普及したのもごく最近で住宅の耐久試験が行われていないので、シックハウスや結露など、問題点も続出しています。
 小屋裏の換気(屋根の下の換気)なんかも、在来の工法では全く問題がなかったにもかかわらず、工法が変わったために起こった問題点への対処だと思われてなりません。

 ライフスタイル自身や住宅への要求性能が変わったのも確かなので、昔の工法そのままというわけには勿論いきませんが、昔の良い物は引き継いでいって欲しいと思っています。

 若干話の方向がずれて失礼いたしました。
 nice! &コメント、ありがとうございます!
by たいせい (2007-03-15 12:56) 

たいせい

 tonoさん、国旗掲揚について全く同様に思います。
 自分自身の子供の頃の原風景を何とか子供達にも残してあげたいとの思いと、将来学校やニュースなどでおかしな情報に出会ったとき違和感を感じる原体験を積ませておきたいとの考えで、初詣の際の「靖国神社遙拝所(地元の神社にあります)や護国神社の祠(ほとんどの神社にあるはずです)への参拝」と一緒に、意図的にやるようにしています。

山本大成 「かわら屋の雑記帳」地元の神社の靖国神社遙拝所
http://blog.so-net.ne.jp/kawaraya-taisei/2006-06-24

山本大成 「かわら屋の雑記帳」地元神社の靖国神社遙拝所続報&護国神社の祠(初詣)
http://blog.so-net.ne.jp/kawaraya-taisei/2007-01-05

 瓦については、tonoさんの仰るように吸水性を持った呼吸する自然素材で、日本の気候風土にもっと合った屋根材だと思います。
 そしてここ半年ほど、少し様子が変わったのかな?と感じてているのは、こだわりの屋根職人の仕事が少しずつですが増えてきているようです。

 少し風向きが変わってきたのかもしれません!

 コメントありがとうございました!

(過去記事にも気をつけてコメントを返していますので、気がついた記事があったらそちらにもコメント下さると嬉しく思います。)
by たいせい (2007-03-15 13:14) 

mutouha80s

何時もご丁寧なコメントを頂きまして有り難うございます。
今後ともご指導とご支援をお願い致します。
話は変わりますが、久しぶりに技術的なレポートを見てもと技術者の血が騒ぎました。
化学工場の機械屋として、このようなブログを作り、意見の交換の場を開ければ良いと思っていたのですが、とてもそれだけの余力がなくて諦めております。
貴方と分野は違いますが、この様なレポートをまた拝見するのを楽しみにしております。
by mutouha80s (2007-03-15 22:47) 

たいせい

 mutouha80sさん、最近何かと慌ただしくなかなかコメントを付けることが出来ていませんが、こちらこそいつも楽しみに拝読させていただいています。
 瓦を製造し売っている中で、身近な素材であるはずの「瓦」が、実は一般には正しく認識されていないことに危機感を感じ、微力ではありますが情報発信に努めようと思い、こんな記事を書き始めてしまいました。
 瓦屋のマスタベーションになりかねない危険を認識しつつ、見ていただいてくださる方のアドバイスにすがりつつ、何とか意義のある記事にしてゆきたいと考えています。
 一般の押せ主の立場でも、技術者の立場でも結構ですので、お気軽にご意見をいただければ、嬉しく思います。

 今後ともよろしくお願いいたします。
 コメントありがとうございました!
by たいせい (2007-03-16 09:34) 

かついち

とても詳しくご説明いただいてありがとうございます。さすが瓦職人さんです。世の中には誤った情報を鵜呑みにしてそれを真実だと思いこんでしまっている人が多くいることにひどく驚かされます。よくよく考えてみれば分かりそうなものも安易に考えて行動してしまうがために、少なくて済む被害も大きくなってしまう。人間の無力さを感じます。
by かついち (2007-03-26 10:41) 

かついち

追伸:私もトラックバックさせていただきました。
by かついち (2007-03-26 10:41) 

milesta

こんにちは。
確かに、地震の報道には瓦屋根の映像が多いですよね。深く考えたことがなかったですけれど、印象操作ともいえますね。
専門家の方が、こういう記事を書いてくださらないと、誤解したままになってしまいますね。
建築関係の本(専門書ではありません。)をTBさせてくださいね。
by milesta (2007-03-26 21:01) 

たいせい

 かついちさん、昨日、有るセミナーで聞いた話なのですが、大手広告代理店の人間に言わせると、最近の人は活字を読まなくなり「文字情報であるコンセプト」の時代から、「ぱっと見でわかるパーセプト」の時代に変わってきたとのこと。
 私の居る瓦業界でも、この記事で書いたようなことを、直感的にわかるように伝える方法を研究しなくてはならないと思いました。
 能登の地震については、弊社でも取引作が数件有る地域でもあり、個々の被災状況や全体像が見えた段階で、記事にしたいと思っています。(今はは皆さんてんやわんやで、まともに話が聞ける状況ではありませんので)

 コメント&TB、ありがとうございました!
by たいせい (2007-03-29 08:39) 

たいせい

 milesta さん、建築について正しく認識していると、毎度の地震や台風などでの被害は、「瓦屋根&木造軸組在来工法=災害に弱い」のではなく、「建築基準法の旧基準の家=災害に弱い」ということで、結果として古い建物の大半が「瓦屋根&木造軸組在来工法」で有るに過ぎないという単純な事実に気がつきます。
 最近の家では、地震でも台風でも、全然問題ないのですけど....。

 コメント&TB、ありがとうございました!
by たいせい (2007-03-29 08:45) 

住宅を作るという事

コメントいただきありがとうございます。私は木造大工をしていて地震の際にいつも倒壊住宅を見ていて悲しくなります。しかし、瓦屋さんも同じなんですよね。しかし、瓦屋根のすばらしさは痛感しています。断熱効果や見た目のよさは他の屋根材では得られないものがあります。実は私の家も瓦葺です。本葺きではないですがとても気に入ってます。また、ご意見などありましたら、コメントをください。これからもよろしくお願いします。
by 住宅を作るという事 (2007-04-05 19:08) 

たいせい

 住宅を作るという事 さん、「瓦屋根の在来工法の住宅」は古くさくて災害では危険という雰囲気に、私も大変悲しい思いをしています。

 ハウスメーカーが本格的に乗り出してから建てた家も、そろそろ20年単位の時間が経って如何に利益偏重の手抜き工事であったかが、そろそろ明らかになり始めているように思います。

 地域の大工さんや工務店であれば、10年経っても施工に問題があれば直すのが当たり前で、そうならないように工事を行う。
 しかし顔の見えないハウスメーカーでは、それが出来ないから施工保証を契約で結ばなければならない。
 100年住宅を言っているハウスメーカーも、内輪の話として本音では「100年経ったらみんな死んでいるから、言ったもの勝ち!」「殺人罪でも時効は20年。20年以上の契約は時効で無効だから大丈夫!」(材の供給元である同業者から聞いた話です)なんて事を平気に口に出したりしているそうです。
 そもそも、原価率40%の家では材や手間を最低限の物に落とすしか建てようがあるわけないのが、お施主様になかなか解っていただけないのが悲しいです。

 地場でキチンと仕事をされていらっしゃる大工さんや、従来の建材がもっと見直される日の来るのを信じています。

 私の方こそ、今後ともよろしくお願いいたします!

PS.
 住宅を作るという事 さんは、茨城でしょうか?
 弊社は、和瓦の陶器だけですが三州瓦の製造メーカーで、茨城にも何軒かお客様があります。
 ひょっとしたら、うちの瓦が屋根にのっている家を建てていただいているかもしれないと思いました。
 
by たいせい (2007-04-06 09:44) 

mike

こんにちは。

住宅の三大要素は、「基礎」「構造」「屋根・外装」で、
概ね、その通りだと思います。

あと追加するとすれば、「基礎」に含まれているかも知れませんが、
「地盤」だと思います。
私が昨日参加しました、千葉県既存建築物耐震診断・改修講習会(木造)でも言ってましたが、どんなに上部構造がしっかりしていても、地盤が弱ければ被災の可能性はあります。

小規模な建物でも、最低限の地盤調査(スウェーデン式サウンディング試験)をできれば4地点程度し、結果、必要であれば地盤改良や杭基礎の計画が必要です。
建物は、後から改修も可能ですが、地盤はなかなかできませんから。

また、野地のバラ板と、畳下の荒床ですが、通気等のよる結露対策の点は、おっしゃる通りだと思います。
ただし、構造的な面からすると、不利な点もあります。

1階と2階の耐震壁(筋交含む)の位置がほぼ一致して、配置のバランスが良ければ、床を剛強にする必要は少なくなりますが、実際は、なかなか一致できません。

この場合、床や屋根の水平面を強いパネル状にし、ずれた1階と2階の耐震壁を構造的に結ぶ必要が出てきます。
床を剛強にするには、合板の方が適しています。
平滑で、一様に梁の上にしっかり留めつけやすい、という事です。

私も、手放しで、合板が全てに優れてるとは思いません。
いわゆる適材適所だと思います。

屋根に瓦を使用する事も、同様です。
瓦そのものがダメではありません。
それに見合った耐震設計とすれば良いのです。
確かに、コロニアルよりは重いですが、若干の耐震壁の増設で、外的要因からの耐久性は上回るので、瓦の採用のデメリットとはならなくなります。

私も、8/25にボランティアで、柏崎市に行きましたが、途中、柏崎の商店街のなかに、鉄筋コンクリート造のカラオケ店がありましたが、1階の柱が圧壊(上下の軸方向につぶれるように壊れる)していました。よって、1階の高さが半分程になっていました。
多くは、古い木造家屋の倒壊で、少数ですが大きな鉄筋コンクリート造もありました。

Eディフェンスで、木造の建物は、すでに50棟近くの実験をしているそうです。実績を積み上げる事で、瓦が短絡的に悪いという誤解もなくなると思います。

年代も耐震性に大きく関わってきます。
昭和45年の建築基準法と現在とでは、耐震性が約2倍違います。
大地震の度に改正されていますが、法律を守っていても、年代が古いというだけで、被災してしまうという事です。

私も、まだまだ勉強です。

同じ建築業界で、頑張っていきたいと思います。
by mike (2007-09-11 20:52) 

たいせい

 mikeさん、この記事を書いた後、能登地震・新潟県中越沖地震の被災地の調査に足を運び、ここに書いた建物の三大要素よりも「手抜き・施工上のミス」「構造材の腐朽」が、設計上の課題以上に重くのしかかっていると考えるようになってきました。
 そして、仰るように最重要なのは「地盤」ですね。
 どれほどしっかりした建物を建てようと、地盤が傾いたのでは話にも何もなりません。
 毎回の被災地の調査の後は、本当に心が重くなります。

 nice! &コメント、ありがとうございます!
by たいせい (2007-09-13 07:23) 

mike

度々失礼します。

”地震”と”構造材の腐朽”で、
私なりに気になっている事があります。
宜しければ、当方のブログの一記事ですが、

 ↓ ↓ ↓

失敗しない家づくり(5)
http://blog.so-net.ne.jp/ms_ike_blog/2007-08-14

ご覧になってみて下さい。
by mike (2007-09-14 00:57) 

たいせい

 mikeさん、貴重な記事のTBありがとうございました。
 輸入木材の腐朽、私の意識の上に全くなく非常に良い勉強をさせていただきました。

 mikeさんの仰るように、新しい建材が安易に使われすぎていると感じています。
 私の業界では一時コロニアルやカラーベストなどの石綿スレートが一世を風靡しましたが、屋根材としての熱の伝えやすさと、野地板が同時にバラ板から接着剤による防湿層を持った合板に変わったことにより結露による野地板の腐朽が大きな問題となり、最終的にはこれまでほとんど問題の無かった瓦屋根も含む「小屋裏換気」の世界が標準になってしまいました。

 構造材としての集成材の使用も、部位によってはドアのチョウバン用のねじ穴がバカになるなど、問題が起こる場合もあると聞いたこともあります。

 新しい材料を建物に使う場合、最低10年(出来れば20年)の実際の建物での耐用試験なしでは怖いように思います。

 再度のコメント &TB、ありがとうございました!

PS.
 実験データーに基づいた屋根材による野地板の結露の記事を書こうとデータだけは集めてあります。
 時間に余裕が出来たら書くつもりですので、よろしくお願いいたします。
by たいせい (2007-09-15 15:08) 

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